第135章・参入

山田進が入ってから間もなく、斉藤玲人が角から出てきて、望月あかりのベッドの頭に接する壁に寄りかかった。

フランス人はここには住まない。この階には望月あかりと山田進しかおらず、隣の成田まことは望月あかりの行方を報告した後、すぐにホテルを出て、家族と団らんするために帰宅した。

この階は夜明けまで誰も来ない。斉藤玲人は廊下の監視カメラを見たが、すでに誰かによって切られていた。

彼らは身分が微妙なため、行く先々で監視カメラを切らなければならない。

ズボンのポケットからタバコを取り出すと、それは先ほど望月あかりによってポケットの中で数段に折られていた。斉藤玲人はそれらを組み合わせ、ライターで火をつけた。

折れたタバコは吸いにくく、消えては再び火をつけなければならなかった。