暗い照明の下で、望月あかりは彼の六つに割れた腹筋までもはっきりと数えることができた。
禁欲的でいながら実は腹黒い、山田ゆうの言う典型的な傲慢な社長タイプ。
山田進と比べると物足りない。彼は少年で、この男は大人だ。
しかし、望月あかりは心の中では全てを見透かしていた。斉藤玲人を見つめながらも、山田進に甘い言葉を囁いていた。「仕方がないの。今は仕事で忙しくて、あなたに釣り合わないって言われたくないから、私たちの未来のために、頑張らないと……」
でも、何か違和感があった。
彼女は多くの男性モデルを描いてきたが、斉藤玲人のプロポーションは最高級だった。
望月あかりは斉藤玲人に近づいた。男性モデルについての知識と、これまで見てきた西洋の絵画の経験から、彼女は斉藤玲人の異常な点に鋭く気づき、手を伸ばした。