修正後:第162章・美しい夢

望月あかりは朝目を覚まし、山田進の様子が少し変だと感じた。

変というわけではなく、ただ昨日より若く見えるような気がした。

彼は黒いパーカーとジーンズを着て、髪もなめらかに下ろしており、昨日のスーツ姿の厳格な様子とは大違いだった。

「あかり、起きた?」山田進は笑った。

彼は陽気な様子で、まるで大学に入学したばかりの学生のようだった。まるで二人が恋をしていた頃に戻ったかのように、まだ学生で、お互いを傷つけ合うことなどなかった頃のように。

「今日、デートに行かない?」山田進は提案した。「僕たち二人で。」

「デートって二人でするものでしょ。他に誰か連れて行くの?」望月あかりは皮肉った。

山田進はようやく自分の言葉が的外れだったことに気付いたが、説明もせずにへへへと笑った。

「いや、今は必ず三人で行かないと」望月あかりの膨らんだお腹に触れながら、山田進は小声で言った。「さあ、息子よ。パパがママと一緒に遊びに連れて行くよ。」

望月あかりが彼と同じようなパーカーに着替えると、二人一緒にレストランへ向かった。

このレストランにはテラス席があり、この時期は庭園の花が鮮やかに咲いていた。座るとすぐに望月あかりは知人を見かけた。それは女優と彼女のボーイフレンドだった。

女優はキャミソールのドレスを着て、メイクも完璧で、高慢な様子は望月あかりとは雲泥の差だった。

望月あかりが自分の後ろを見ているのに気付いて、山田進が振り返ると、ちょうど女優のボーイフレンドと目が合い、相手は頷いて挨拶した。

「彼を見てどうするの?僕を見て。」山田進は声を出した。

望月あかりは女優の高慢な様子を見て、不思議に思い、山田進に尋ねた。「彼女、何であんなに偉そうなの?」

他の人がこう言えば、山田進は嫉妬だと思うだろうが、望月あかりが聞くのは、たいてい本当に疑問に思っているからだった。

山田進がまだ答える前に、叫び声が聞こえた。望月あかりは、女優と彼女のボーイフレンドが一緒に座っているところで、二人が何かで揉めたらしく、ボーイフレンドがテーブルの冷菜を手に取って彼女にかけるのを目撃した。

女優は小さなドレスを着て、完璧なメイクをしていたのに、冷菜のタレと具材まみれになって、惨めな姿になった。

食欲が失せた。