第203章、別れ

一束の書類が望月あかりの前に置かれていた。望月あかりが思っていたよりもずっと厚かった。

弁護士は三人いて、先頭の年配の弁護士は七年前のそれではなく、厚いメガネをかけ、並んで座っている山田進と望月あかりに書類の内容を説明していた。

この中の株式には、嫁である望月あかりへのもの、山田山彦のもの、山田進のものがあり、さらに彼らが住んでいる中国風の豪邸も望月あかりの名義になっていた。

最後の一枚は、山田進が二日前に作成した遺言書で、すべての財産は望月あかりに譲渡され、山田山彦は元々の7%だけを受け取ることになっていた。

「これは……」望月あかりは理解できなかった、多すぎる。

「先日の事件で、山彦とあなたを世の中に残して安心できないと思い、あなたを守るために何かを残さなければならないと思って、遺言書を書いたんだ。」山田進は隠さなかった。彼の年齢ではまだ死後のことを考える必要はないはずだが、望月あかりが昏睡していた数日間、山田進は考えていた。もし彼が彼女を守らなければ、誰も彼女を守る人はいないだろうと。