平行BE（4）_2

渋滞がひどく、木村久仁子も焦らず、片手でハンドルを握り、もう片方の手を車の窓に置いて、前の車の流れが動く距離を見て、前の車のスピードに合わせて動かし、そして横にいる望月あかりを振り返って見た。

心がむずむずする、彼はなぜか痩せこけた女性に興味を持ってしまった。考えれば考えるほど気が滅入り、木村久仁子はライターでタバコに火をつけ、一気に吸い込んで、やっとその焦りを和らげた。

ライターの音が聞こえ、車内にタバコの匂いが漂い始めると、望月あかりは振り返ったが何も言わなかった。

「タバコの匂い、平気？」木村久仁子は多くの場合、女の子はタバコの匂いが嫌いだということを思い出し、望月あかりもきっと同じだろうと思った。

「少しだけ気になるけど、でも木村警部、あなたのタバコの量は少し多すぎるわ」望月あかりは小声で言った。男の子がタバコを吸うことは理解できる、山田進も時々吸うけれど、木村久仁子は命を削るようにタバコを吸っていた。あの時、取調室で、彼の横の灰皿は隙間なく一杯だった。