新しい義姉と呼ばれた木村久仁子は心身ともに喜んでいたが、まだ望月あかりに気づかれないようにしなければならなかった。
「後でいい加減な呼び方はやめて、食事の準備をしてくれ。署の空いている取調室を片付けて、私は人を迎えに行く」と言って立ち上がり、残りの数人は急いで食器を用意し、食事の場所を連絡した。二人が食堂に行って大きな鍋のお粥を持ってきた。
望月あかりは入り口で待っていた。彼女は警察署にトラウマがあり、一人で入る勇気がなかった。
木村久仁子が出てきて彼女を迎えると、望月あかりは挨拶した。「こんにちは、木村警部」
「行こう」木村久仁子はうなずき、望月あかりの肉まんの入ったかごを持って、入り口まで行くと、門の警備員に望月あかりを指さし、次に自分を指さした。
望月あかりは思った、意味はおそらく「私を訪ねてきた人だから、登録は必要ない」ということだろう。そうよね?