しかも少しの埃っぽさもなく、まるでずっと誰かが住んでいるような感じだった。
木村久仁子も隠さず言った。「昨日あなたの姑さんに、あなたが具合が悪くてここに来て住むと伝えたの。今日、姑さんがわざわざ上がってきて掃除してくれたんだよ。」
彼の母は望月あかりが来ることを知って、家を新婚の部屋のように改装したいくらいだった。ベッドのピンク地に赤い牡丹の四点セットは、すでに彼の母がかなり自制した結果だった。彼はさっき見たが、バスルームのバスタオルまでカップル用のものだった。
木村久仁子に自分の母親を「姑さん」と言われ、望月あかりは少し恥ずかしくなり、立ち上がってスリッパを履いて顔を洗いに行った。そこで初めて、この姑がどれほど熱心かを知った。
すべてのものがペアになっていて、あらゆる場所が彼女と木村久仁子の新婚生活の幻想を漂わせていた。以前、望月紀夫の入学の時に会った元気いっぱいのおばさんの戦闘力は、衰えるどころかむしろ増していると言えるだけだった。