翌日、木村久仁子は早く起きて、階下に行って朝食を買ってきた。
普段は望月あかりが自分で作っていたが、今日は彼女に動かせるわけにはいかない。
急いで二口ほど食べると、木村久仁子は望月あかりを起こし、彼女が朝食を食べている間にシーツを洗った。
この血の跡を望月紀夫に見られたら、少し恥ずかしいだけだが、木村国吉に見られたら、確実に実家に伝わり、母親にまた臆病者と罵られるだろう。
母親の罵りの言葉は想像できた:「この臆病者はやっと義務を果たしたのか、この先一生出世できないだろうね」
食事の後、木村久仁子は車で望月あかりを病院に連れて行き、まず血液検査をしてから他の検査を行った。二人は病院で一日中過ごし、彼女が貧血以外の症状がないことを確認した。
貧血患者から採血するなんて、望月あかりは笑いをこらえるのに必死だった。しかし彼女は面と向かって笑う勇気はなかった。貧血患者だからといって、木村隊長が夜に彼女を懲らしめることに影響はないのだから。