藤田晋司は2階のボタンを押すと、エレベーターはすぐに下降した。
2階に到着すると、藤田晋司は診察室に直接入り、鈴木之恵も後に続いた。
診察室には若い医師がいて、藤田晋司と同年代に見えた。
藤田晋司は鈴木之恵を医師のデスク前の椅子に座らせ、
「沢田さん、彼女の顔の腫れを診てもらえないか?」
沢田先生は鈴木之恵の顔を見つめ、冗談めかして言った。
「おや、晋司、こんな可愛い子をどこで騙してきたんだ?」
藤田晋司はしばらくしてから口を開いた。「妊婦が使える外用薬を処方してくれ。」
沢田先生は処方箋に医師の指示を書いていたが、彼の言葉を聞いて筆を止め、暗示的な目で藤田晋司を見上げた。
「おいおい、進展が早いじゃないか。」
藤田晋司は冷たく言い返した。「余計なことを言うな。これは俺の...甥の嫁だ。」