二人の子供は染川麻琴が忙しいのを見て、手を繋いでこっそりと部屋に入り、ドアを閉めた。
鈴木弘美は「お兄ちゃん、パパに会えた?」と尋ねた。
鈴木弘文は首を振った。
「もういいよ。パパはクズ男だから、私たちには必要ないの。ママに新しいもっといいパパを見つけてもらおう」
鈴木弘美は不思議そうに、
「パパは自分の好きなように選べるの?」
鈴木弘文は「もちろんだよ!」
鈴木弘美は嬉しそうに笑って、
「じゃあ、背が高くてかっこいいパパがいい。イチゴケーキが作れて、お話も上手で、遊園地にも連れて行ってくれる人がいい」
鈴木弘文は顎に手を当てて、
「一番大事なのは、ママを愛してくれることだよ」
二人の子供たちにとって「パパ」という言葉は全く馴染みがなく、理想のパパを探す計画を立てていた。