第228章 東京都へ、彼女を探しに

その時、鈴木弘文と鈴木弘美はすでに甘い夢の中にいた。

鈴木由典はリビングのベランダで鈴木之恵に電話をかけていた。

「之恵、二人の子供たちはもう寝ているよ。明日は水族館と博物館に連れて行く予定で、明後日には帰るつもりだ。」

二人の子供が叔父と京都府に行っているため、鈴木之恵はここ数日よく眠れず、悪夢を見続けていた。

「お兄さん、会ってはいけない人には会わなかった?」

鈴木由典は一瞬黙り込んだ。

「会ったけど、子供たちとは互いに気付かなかったはずだ。特に注意していたから、心配しなくていい。」

鈴木之恵はその言葉を聞いて、胸が締め付けられるような思いがした。まさか京都府で会うなんて、あんな大きな都市で、何百万人もの人口がいるのに、出会う確率は低いはずなのに。

「お兄さん、弘文のことは必ず気をつけてね。あの子はいたずら好きだから。」