「彼はどこにいるんだ?」
中村慎は「偶然にも京都府だ。地図は科学館を指している」と答えた。
藤田深志は両手を握りしめ、
「この地図をずっと見ていられるのか?」
中村慎は頷いて、
「システムを閉じない限り、このページをずっと見ていられる。相手の動きをリアルタイムで追跡できる」と言った。
藤田深志は心に決めたようで、中村慎からパソコンを受け取り、
「邪魔して申し訳ない、兄弟」
彼はパソコンを抱えて車に戻り、科学館に向かって車を走らせ、途中で何本か電話をかけた。約20分ほどで科学館に到着すると、柏木正がボディーガード数人を連れて既に到着し、入り口で待っていた。
「藤田社長、その人は本当に科学館にいるんですか?」
柏木正は好奇心に満ちた表情でそのパソコンを見つめ、画面上の赤い点は科学館内に正確に位置していた。