第230章 新芽工房へ足を運ぶ

鈴木之恵は複雑な思いに駆られ、二人の子供たちに申し訳ない気持ちでいっぱいだった。この世に連れてきたのに、健全な家庭を与えられなかったことを。

父親の愛情の欠如は常に彼女の心の中の結び目であり、今やその結び目は自分の二人の可愛い子供たちの心の中にも存在していた。

鈴木之恵は鈴木弘文を抱きしめ、額にキスをした。

「弘文、ママは弘文と妹に申し訳ないわ」

鈴木弘文はママの今の気持ちを理解したかのように、素直に鈴木之恵の胸に寄り添い、小さな大人のように彼女を慰めた。

「ママ、怖がらないで。弘文がママを守るよ。弘文はママが大好き」

鈴木弘文を寝かしつけた後、鈴木之恵は一晩中眠れなかった。突然東京都に来て家を買おうとする人のことが気になり、子供たちを奪われることを恐れていた。二人の子供たちは彼女の命であり、ICUで意識不明だった時の唯一の心配事だった。