第334章 対面の贈り物

弘美は藤田深志の胸に寄り添いながら、この出迎えの部屋を観察した。まるでアナと雪の女王の童話の世界に入り込んだようだった。

前回叔父さんと来た時は、こんなに綺麗ではなかったことを覚えている。

鈴木弘美は目を細めて笑いながら、

「ママ、京都府は綺麗だね。東京都より綺麗。私たち、京都府に住まない?」

子供の心は単純で、好きなものがあれば直接言う。大人のように色々なことを考えたりはしない。

藤田深志の傷ついた表情を一瞥して、鈴木之恵は弘美の耳元で静かに言った。

「弘美、これは全部パパが飾り付けたの。気に入ったなら、私たちの家もこんな風にできるわよ。」

鈴木弘美は振り返って、この見知らぬパパをもう一度見つめ、鈴木之恵の耳元で小声で尋ねた。

「ママ、パパは私たちと一緒に住むの?」