第338章 お前に相応しくない

警察は十五分間の面会時間しか与えなかった。鈴木之恵は彼とガラス越しに長い間見つめ合い、ようやく受話器を耳に当てた。

秋山泰成は涙が止まらず、しばらくして落ち着きを取り戻した。

今回、鈴木之恵が雇った弁護士が、彼の公金横領の証拠を警察に提出した。数年で出所できるはずだった秋山泰成は、巨額の経済事件に巻き込まれ、刑期は終身となった。

鈴木之恵は冷ややかな目で彼を見つめた。彼女はこのような秋山泰成を見たことがなかった。老いて濁った目には、限りない後悔の色が浮かんでいた。

結局、秋山泰成が先に口を開いた。

「之恵、お父さんはもう一生出られないかもしれない。姉妹二人で助け合って生きていくんだよ。お前たちはお互いにとって唯一の肉親なんだから。」

鈴木之恵は冷笑した。彼は今この状況になっても、最も気がかりなのは秋山奈緒のことだった。