第344章 金を送る大損な人

藤田深志はこの大きな問題を早急に解決する必要があると感じていた。

諺にもあるように、泥棒に盗まれるのは怖くないが、泥棒に目をつけられるのが怖い。藤田晋司は目をつけて盗もうとしているのだ。

藤田晋司は35歳になっても、結婚の予定がない。藤田深志は家族として、祖父に彼の警鐘を鳴らす必要があった。

パソコンを開くと、陶山蓮華が以前送ってきた令嬢リストが目に入り、すかさず祖父に転送した。自分に小母さんを見つける時が来たのだ。

祖父にメッセージを送り終えると、海外からのメールが届いた。

開いてメールの写真を見た瞬間、タッチパッドに置いていた手が凍り、全身が固まった。

先日、藤田晋司の海外での年月について調査を依頼していたが、メールには彼とある女性の写真が満載で、二人は親密な様子で、とても仲が良さそうに見えた。藤田晋司がその女性を見る目には、これまで見たことのない深い愛情が溢れていた。