第346章 君たちと一緒に行く

電話が繋がると、お爺さんは開口一番に尋ねた。

「深志、私に送ってきた女の子たちの身辺調査はしたのか?信用できるのか?」

藤田深志は唇を開いて答えた。

「信用できます」

それらは陶山蓮華が自分の息子の嫁候補として選んだ女性たちで、他のことには手を抜くかもしれないが、この件に関しては申し分なかった。家柄、性格、容姿、すべて何重にも選考されており、彼女の目に適わなければ、息子に押し付けることもなかっただろう。

彼女は自分に面倒をかけるような、気に入らない人を選ぶはずがない。

今となっては、陶山蓮華の心遣いは無駄にならず、ようやく役に立つことになった。

藤田お爺さんは電話の向こうでため息をついた。

「お前が確認したというなら、私は無駄な努力はしないよ。弟に見合いを設定して、まずは二人を会わせて話をさせよう。お前も目を光らせて、良い娘がいたら弟に紹介してやってくれ」

お爺さんはこの年まで生きてきて、二つの心残りがあった。

一つは曾孫を抱けていないこと、もう一つは末っ子がなかなか結婚しないことだった。彼は一時期、この息子が同性愛者なのではないかと疑っていた。女性と付き合っている様子を見たことがなかったからだ。

藤田深志のこの行動は、お爺さんの心に響いた。彼は早くから藤田晋司に家庭を持たせたいと考えていた。

「分かりました、お爺さん。明後日の週末が適していると思います。叔父さんのことは早い方がいいですから」

お爺さんは笑いながら言った。

「じゃあ、お前の言う通りにしよう。今村さんに相手方に電話をかけさせて、明後日の約束を取り付けよう」

電話を切ると、藤田深志は既に車を鈴木之恵の家の別荘の外に停めていた。

染川麻琴と小柳さんは家の監視カメラで外の三人家族を見て、急いで出てきて荷物を運ぶのを手伝った。猫たちと猫の生活用品、おもちゃなどで、藤田深志のトランクは一杯になっていた。

弘美は自分の猫のことで精一杯で、他の人のことを気にする余裕もなかった。

荷物を全部運び入れた後、藤田深志は車に寄りかかったまま帰る気配を見せず、鈴木之恵が最後の荷物を運び終えて車の中が空になったのを確認すると、彼女の手首を掴んで尋ねた。

「之恵、キャットタワーの組み立て方は分かる?」