電話が繋がると、お爺さんは開口一番に尋ねた。
「深志、私に送ってきた女の子たちの身辺調査はしたのか?信用できるのか?」
藤田深志は唇を開いて答えた。
「信用できます」
それらは陶山蓮華が自分の息子の嫁候補として選んだ女性たちで、他のことには手を抜くかもしれないが、この件に関しては申し分なかった。家柄、性格、容姿、すべて何重にも選考されており、彼女の目に適わなければ、息子に押し付けることもなかっただろう。
彼女は自分に面倒をかけるような、気に入らない人を選ぶはずがない。
今となっては、陶山蓮華の心遣いは無駄にならず、ようやく役に立つことになった。
藤田お爺さんは電話の向こうでため息をついた。
「お前が確認したというなら、私は無駄な努力はしないよ。弟に見合いを設定して、まずは二人を会わせて話をさせよう。お前も目を光らせて、良い娘がいたら弟に紹介してやってくれ」