第369章 なだめる

階上で、鈴木之恵はベッドに横たわって放心状態だった。

藤田深志がそこまでするはずがないと思い、先ほど自分が怒りに任せて言い過ぎたと感じた。

鈴木之恵は八木真菜に電話をかけた。

「真菜、ちょっとお願いがあるんだけど」

八木真菜はまだ八木修二の家にいて、ため息をついた。

「私に遠慮することないでしょう。何でも言って、姉妹として出来ることなら断らないわ」

「あなたの旦那さんに相談したいことがあるの」

そう言って、鈴木之恵は付け加えた。

「秋山奈緒のことについてなの」

八木真菜は今入ってきた男性を見て、

「ちょうど私を迎えに来たところよ。電話を代わるから、直接聞いてみて」

「ありがとう」

鈴木之恵は冷静になって、専門的なことは専門家の意見を聞くべきだと思い、一人で悩んでも仕方ないと気づいた。