藤田深志はそのまま承諾した。
電話を切ると、藤田深志は運送会社に巨大な箱を用意させ、中に厚い緩衝材を詰めて、この二つの大きな物を発送した。
配送料もかなりかかった。
これらを済ませると、お爺さんから電話がかかってきた。
「お前の叔父さんのことを知っているか?」
藤田深志は胸がドキッとした。彼はお爺さんの前でこの件について触れる勇気がなく、お爺さんがどこからその情報を得たのか分からなかった。このような質問をするということは、きっと藤田晋司が拘留されたことを詳しく知っているのだろう。
「お爺さん、私も今知ったばかりです。」
電話の向こうで、お爺さんは数秒沈黙した。
「私の航空券を予約してくれ。お前と一緒に東京都へ飛ぶ。」
「お爺さん、慌てないでください。この件には誤解があります。私が東京都で処理します。」
お爺さんは鼻を鳴らした。
「お前の息子が拘留されたら、焦らないのか?」
藤田深志は言葉に詰まった。焦る、もちろん焦る。
「お爺さん、秘書に航空券を予約させます。私と同じ便で、明後日の出発です。」
旧邸では、お爺さんは電話を切り、書斎で非常に不機嫌な表情を浮かべていた。
「今村さん、藤田家は今月どの神様に祟られているんだろうか。なぜこんなに牢獄の災いが続くのか?」
今村執事はお茶を注いで持ってきて、テーブルに置いた。
「ご主人様、そんなことを仰らないでください。神様なんていません。我が藤田家は順調です。」
お爺さんは非常に機嫌が悪く、この執事が良いことしか言わないことも分かっていた。
「晋司の病状証明書は出来上がったか?」
「ご主人様、松本院長に連絡を取りました。明日印鑑を押せば受け取れます。」
お爺さんは杖を握りしめ、話したくない様子だったが、何かを考えているのが見て取れた。今村執事も世話をする中で困っていた。病院を出てからまだ数日しか経っていないのに、藤田家で次々と事が起こり、お年寄りは療養中にこのようなことを聞くべきではない。彼は明るい話題を選んで言った。
「ご主人様、明日お荷物を全て用意いたします。東京都では少し長めに滞在なさってはいかがでしょうか。お孫さんたちも夏休みがもうすぐ終わりですし、この機会にお子様たちと多く遊んでいただけますよ。」