食事の後、鈴木弘文はおじいちゃんをソファーに連れて行き、
「ひいおじいちゃん、プレゼントがあるの」
鈴木弘美も自分の小さなバッグを持って言いました、
「ひいおじいちゃん、私もプレゼントを用意したの」
おじいちゃんは「おや?」と声を上げ、期待に満ちていました。5歳にも満たない小さな子供たちが、この老人に何のプレゼントを用意したのか気になっていました。
「さあ、ひいおじいちゃんに見せてごらん」
鈴木弘美は絵を描きました。そこにはパパとママ、お兄ちゃん、自分、そしてひいおじいちゃんが描かれていました。絵の技術は未熟で、筆致も稚拙でしたが、この絵が表現したい意味は十分に伝わってきました。
「ひいおじいちゃん、これは私たち家族よ。本当はもっとかっこよく描きたかったんだけど、まだ上手く描けなくて。次は必ず世界一かっこいいひいおじいちゃんを描くわ」
おじいちゃんは年を取って老眼になっていたので、絵を掲げて距離を取って眺めました。絵の中の老人は真ん中に座っており、左右の小さな子供たちは明らかに二人だとわかりました。
ただ、上の方に視線を移すと、ちょっと……
コホン、コホン!
おじいちゃんは二回咳をして、
「弘美、上にいるのはパパとママかな?」
鈴木弘美は答えました、
「うん、そうよ。パパがママにキスしてるの。この前、パパがこうやってママにこっそりキスしてるところ見ちゃった。えへへ」
おじいちゃんは笑って、
「いいね、いいね。弘美は賢いね」
リビングにはおじいちゃんの魔性の笑い声が響き渡りました。
その時、鈴木之恵はリモコンを持って気まずそうにチャンネルを変えていました。テレビで何が放送されているのか、全く頭に入っていませんでした。
藤田深志は横で茶を飲みながら気まずそうに頭を掻いていました。この家には本当に秘密なんて一つもないんだなと。
彼は二人の子供たちの目を避けて親密な行為をしていたはずなのに、いつの間にか見られていて、その場面まで描かれて、ひいおじいちゃんに説明されるとは。親の面目丸つぶれじゃないか。
おじいちゃんは絵を丁寧にしまい、鈴木弘美を褒めちぎりました。
続いて、鈴木弘文も宝物を披露しました、
「ひいおじいちゃん、これは僕が用意したプレゼントだよ」