翌日、鈴木之恵の受賞のニュースが出て、グループチャットで様々な転送が行われていた。
今回のコンテストの上位10位の中に、2人の中国人受賞者がいた。
優勝者は言うまでもなく、鈴木之恵だった。
もう一人の受賞者は5位で、藤田グループのデザイン部門のデザイナーだった。このような重要なコンテストにおいて、5位も素晴らしい成績だった。
鈴木之恵が藤田グループの規定を知る限り、5位でもかなりの報奨金がもらえるはずだった。
当時、藤田グループのデザイン部門全体がこのことを祝っていた。
ニュースが正式に発表されれば、すぐにメディアの取材が来るだろう。国内ジュエリー業界のトップ企業として、この賞を取ることは珍しいことではなく、むしろ取れないほうが不思議だった。
ただし、みんなが受賞者リストを見て、1位の鈴木之恵という名前に、会社の小さなグループチャットが再び賑わった。
藤田グループの上から下まで、新入社員もベテランも「鈴木之恵」という名前を知らない人はいなかった。
社長の元妻であり、デザイン界の神様ローリーの本人。この数年は控えめにしていたが、突然業界に復帰し、みんなに驚きを与えた。
まさに、沈黙は金なり、一鳴驚人!
【藤田社長が最近会社に来ていないのは、どこに行ったか知ってる?東京都で妻を追いかけているらしいよ。秘書部の話を聞いたけど、柏木秘書が東京都に行ったから、きっと社長もそっちにいるはず。】
【ああ、だから藤田社長がここ2ヶ月東京都に通っていたのか。奥様が東京都にいたんだ、謎が解けた。】
【噂によると、藤田社長が会社の中心を東京都に移転させようとしているらしい。あっちでオフィスはもう借りてあるって。待っていれば、すぐに大きな動きがあるはずだよ。】
【え?藤田社長は奥様を追いかけるために、会社まで移転させるの?これぞ社長様!萌え死ぬ!】
【もし奥様が藤田グループに戻って、社長と一緒に会社を経営したら、私たちの会社は無敵じゃない?ライバル企業にとっては悪夢だよね!】
【上の人、詳しく話して?】
【ローリーを引き抜きたい会社がどれだけあるか知ってる?奥様が以前ネット上で本名を出さなかったのも、各社の商戦に巻き込まれるのを恐れてたんじゃないかな。彼女は業界の宝で、争奪戦の的になる存在だから。】
……