第462章 あなたを取り上げた医者が見つかった

車に戻ると、鈴木之恵は少し放心状態だった。

藤田深志は彼女の携帯から車のキーを受け取って自分で運転すると言い、鈴木之恵は一瞬戸惑って尋ねた。

「大丈夫なの?」

「ちょっとした怪我だよ。今のあなたの状態で運転する方が危険だ」

鈴木之恵は助手席に座り、しばらくして口を開いた。

「彼女の子供がいなくなったって言ってたけど、次は刑務所に入るってこと?」

藤田深志は運転に集中しながら答えた。

「そうだろうね」

「藤田深志、仁愛病院に親しい知り合いはいる?」

「いるけど、どうして?」

「先に車を止めて」

藤田深志は彼女が何をしようとしているのか分からなかったが、まず路肩に車を停めた。

「私はこの病院で生まれたの。私のお母さんのお産を取り上げた医師は、今もいるのかしら?」

藤田深志は彼女の考えを理解し、