第463章 子を頼りに出世する

村上お爺様はいつも笑顔で、

「藤田くん、また来てくれたのかい。私は元気だよ。若い者は自分の仕事に専念しなさい。わざわざ見舞いに来なくていいから、奥さんと過ごす時間を大切にしなさい」

藤田深志は挨拶をして、

「お見舞いの時間くらいはありますよ。これから東京都に戻りますが、祖父の代わりにもお見舞いに来ました。早く良くなることを願っています」

「君は本当に礼儀正しいね。私からも君のお祖父さんによろしく伝えてくれ」

そう話している時、村上拓哉が外から入ってきた。手には真っ赤な口紅をした魅力的な女性を連れていた。

藤田深志はようやく村上お爺様の上機嫌の理由が分かった。

「お父さん、まず食事にしましょう」

村上拓哉とその女性は、それぞれ手に数箱の食べ物を持って、小さなテーブルを広げて病床に設置し、レストランからテイクアウトした料理を一つずつテーブルに並べた。