第464章 姉さん、チケットを届けに来ました

藤田深志は本を閉じて脇に置き、彼女を呼んだ。

「こっちにおいで!」

鈴木之恵は、二人のこのような関係が何となく老夫婦のようだと感じた。習慣とは恐ろしいものだ。

この数日間、彼女は彼に抱かれて眠ることに慣れていた。一人で寝るのは確かに寂しいときもあり、彼の腕の中で眠る方が安心できることを認めていた。

鈴木之恵はベッドに上がり、そっと横になった。

「藤田深志、今日は疲れているの。」

彼女の暗示は明らかだった。

藤田深志は低く笑って、

「おいで、何もしないから。」

鈴木之恵は疑わしげに彼を見つめた。藤田深志は約束した。

「本当に何もしないよ。おいで、抱きしめて寝よう。」

藤田深志のベッドでの言葉が、ついに一度だけ信用できるものとなった。本当に何もせず、ただ抱きしめて眠った。これは鈴木之恵が最近で一番心地よく眠れた夜だった。