傍らの木村悦子とデザイナーの島崎は頷きながら、田中晃の言葉に同意した。彼女たちは自分の社長の顔フェチだった。
木村悦子は「芽さん、デビューするなら、その顔だけで芸能界を制覇できますよ。すっぴんでも綺麗なんだから、仕方ないですね、骨格が良いんですから!」
島崎も同意して、
「芽さんの顔は整形外科医の参考になりますよ。芸能界に行けば、間違いなく勝ち組になれます。」
鈴木之恵は自分の部下たちの褒め言葉に少し照れた。社内で言うならまだしも、外でこんなに上司を褒めるものだろうか?
「もういいわ、お二人とも褒めすぎ。私が何の芸能界よ、デザイン業界だけで十分忙しいわ。」
島崎はため息をつき、
「芽さん、自分の顔に対して何か誤解があるんですか?この前私たちが食事に行った時、階下の二人の男性が私たちをずっと付いてきて、藤田社長が来て、お二人が一緒になったのを見てやっと帰ったんですよ。目が釘付けになってました。」