第512章 できるかできないか

鈴木之恵は藤田深志のところで答えを見つけられず、顔を鈴木由典の方に向けた。

鈴木由典は藤田深志と示し合わせたかのように、黙ったままだった。

藤田深志はさらに言った。

「明後日出かけるから、明日は手持ちの仕事を片付けておく。」

彼はおじいさんが退院したことを幸いに思い、一つの心配が減った。

鈴木由典は彼が非常に断固としているのを見て、それ以上何も勧めなかった。他のことは置いておいて、藤田深志の仕事能力は認めていたし、確かに今彼より適任な人物は見当たらなかった。

「傭兵を二人つけてやる。必要な時に君の安全を守るために。会社の仕事を整理して、数日後に行って君と合流する。」

そう言った後、彼はさらに付け加えた。

「安全第一だ!」

この一言の忠告に、藤田深志の心の底に苦い暖かさが湧き上がった。