第558章 ベッドの前で男性の道徳を暗唱する

時間はあっという間に冬至を迎えた。

京都府では大雪が降り、東京都も何度か冬の訪れに失敗した後、ようやく正式に冬を迎えた。

この冬、鈴木之恵は寒さを感じなかった。おそらく赤ちゃんを身ごもっているため、気血が活発になっているからだろう。その代わり、気性は荒くなり、朝早くから藤田深志を叱りつけて口がきけないほどにした。

原因は、昨日鈴木之恵が藤田深志に仕事帰りにスーパーで湯圓を買ってくるよう頼んだことだった。弘文は黒ゴマ味が欲しく、弘美はイチゴ味が欲しいと言っていたのに、藤田深志は一日中仕事に追われ、スーパーに着いたときには湯圓を買うことだけを覚えていて、中身を確認するのを忘れ、ピーナッツ餡のものを買ってきてしまったのだ。

藤田深志は優しく彼女をなだめながら、

「まあまあ、焦らないで。今から車で買いに行ってくるよ。せいぜい1時間もあれば戻ってこられるから、昼食に間に合うよ」

鈴木之恵はお腹を抱えながら不機嫌な顔で、

「その1時間が無駄じゃない?あなたが私の言うことをちゃんと聞いていれば、わざわざ行く必要もないのに」

「無駄じゃないよ、無駄じゃない。仕事は少し調整すれば、1時間くらい問題ないさ」

「じゃあ車で出かけるガソリン代はタダなの?あなたの車は水で走るの?」

藤田深志は冷や汗をかいた。彼は思った、うちはそのくらいのガソリン代に困るほどではないだろう?

家から一番近い大型スーパーまでは車でたった10分の距離で、往復20分、その20分でガソリン代は十数元もかからない。

「次回からは君が買ってほしいものをメモに書いておくよ。絶対に間違えないようにする。君たちは家で待っていて、今すぐ行ってくるよ」

藤田深志は適当にカシミアのコートを羽織り、急いで出かけた。

妊婦の機嫌を取るのは難しい。時間を守らなければならない。この外出が1時間を超えれば、帰ってきたときにまた叱られるのは避けられないだろう。

道中は順調で渋滞もなく、藤田深志は素早く行動した。今回はラベルをしっかり確認し、間違いがないことを確認した。さらに二人の子供が好きなイチゴとサクランボも買い、妊娠後に糖分を控えて甘すぎる果物を避けている鈴木之恵のために、彼女がよく食べるミニトマトも量り売りで買い、急いで会計を済ませた。