結婚式の会場は京都府で、田中清彦と藤田正安の二人が相談して選んだ場所で、風水師に頼んで吉日を選んでもらった。
二人の老人はもともと親友だったが、今回は思いがけず親戚になり、仕事以外はずっと一緒にいて、結婚式のさまざまな細部について相談していた。
今回の結婚式は京都府最大のセブンスターホテルを貸し切り、二組の新郎新婦がいるため、準備するものが多かった。作業員たちは一週間前から会場の装飾を始めていた。
田中、藤田、鈴木の三家族は、ほぼビジネス界全体の権力者を招待し、結婚式の会場は大物が集まり、記者たちも押し寄せていた。
その時、鈴木之恵とバリーは田中家で、ヘアメイクを終え、新郎が迎えに来るのを待っていた。
姉たちの結婚は大事なことで、田中晃は普段から仲の良い友人や女性の同級生たちを全員呼び、家はかつてないほど賑わっていた。
藤田深志と藤田晋司が入ってきたとき、すぐに取り囲まれた。
田中晃は早くから計画していた課題を用意していた。姉の婿になりたければ、この義理の弟の関門を通らなければならない。
まず、庭で最近ネットで流行っている「科目三」というダンスを踊らないと、部屋に入れないという。
藤田深志は困惑した。彼は普段あまり短い動画を見ないので、戸惑いながら尋ねた。
「科目三って何?運転免許の試験?」
藤田晋司はある程度知っていて、ネットで何度か見たことがあったが、彼も踊れなかった…
柏木正が付添人団と一緒に後ろから援護した。
「藤田社長、科目三はダンスですよ!」
藤田深志は眉を上げた。
「ダンスは私の弱点だ。他の試験にしてくれないか?例えば上海と深センの300銘柄の来週の動向を分析するとか!」
田中晃はふん、と鼻を鳴らした。
「あなたは姉を迎えに来たのであって、株の教えに来たわけじゃないでしょう?姉たちを連れて行きたいなら、今ここで学びなさい。こんな小さな困難も乗り越えられないなら、帰った方がいいよ!」
藤田深志は汗だくになった。今日はこの小僧に捕まってしまったようだ。
しかし、彼の後ろの付添人の中には手を挙げて、踊れると言い、その場で教えられる人がいた。
田中晃はみんなにスペースを空けるよう合図し、その多才な付添人が前に出て動きを分解して教え始めた。