第560章 番外一、二人目の赤ちゃん誕生

五月一日の労働節、鈴木之恵は帝王切開で三つ子を出産した。男の子で、六斤八両(約3.4kg)だった。

赤ちゃんが看護師に抱かれて産室から出てきたとき、外で待っていた一群の人々が我先にと抱こうとした。祖父母、叔母、外祖父、叔父たちみんなが最初に抱きたがった。

藤田晴香はどこかで聞いたのだが、誰が最初に赤ちゃんを抱くかで、赤ちゃんが将来誰に似るかが決まるという。義姉が産室に入ったと聞くや否や、彼女はすべての化粧品を取り出し、念入りにメイクをした。

結局、誰も田中晃には勝てず、彼が最初に抱くことになった。

田中清彦は息子を物欲しそうに見つめながら、

「ちゃんと抱けよ、宝物を落とすなよ」

田中晃は呆れて、

「こんな小さなものなら、片腕で支えられるよ。どうして落とすことがあるんだ?」

この言葉に田中清彦はひどく驚いて、

「なんだ支えるって...抱くんだ!」

陶山蓮華は羨ましくてたまらず、

「田中くん、早く、私の孫を抱かせて!」

……

藤田深志の小さな娘を持つ夢は破れ、またしても男の子だった。

彼は今、他のことを考える余裕がなかった。鈴木之恵がまだ産室から出てこないので、ひどく心配していた。

産室の外からは時々中から痛みを訴える泣き声が聞こえてきた。それが鈴木之恵の声ではないとわかっていても、聞いていて辛かった。女性が子供を産むのは、誰にとっても容易なことではない。彼女が今どうしているのか気がかりだった。

子供が出てきた後、彼は産室の外で数時間待ち、ようやく鈴木之恵も運び出されてきた。すべて順調で、産婦の観察が終われば普通の病室に戻れるとのことだった。

鈴木之恵は今、麻酔がまだ完全に切れておらず、痛みはそれほど感じていなかったが、夜中になると痛みを訴えて唸り始めた。

鈴木之恵は三つ子を産んだ時、前回よりも痛かったように感じた。藤田深志がそばにいたせいかもしれないが、彼を見ると余計に痛く感じた!

藤田深志は心配で仕方なく、何度も医者のところへ行き、痛みを和らげる方法を尋ねた。医者の答えは「方法はない、使える薬はすべて使っている、出産に痛みがないわけがない」というものだった。

こういった道理は鈴木之恵も心の中ではわかっていて、我慢できていた。出産から24時間後、医師は産婦に部屋を歩き回ることを勧めた。