第31章 彼女と七夕を過ごす?

「何?」

南雲泉は呆然としていた。自分の耳を疑った。

しかし、反応する間もなく、瀬戸奏太に車の中へ押し込まれた。

車に乗り込んでも、南雲泉はまだ呆然としていた。

その時、前の席から元気いっぱいの青年が笑いながら口を開いた。「隊長、どういうことですか?女性を近づけないはずの隊長が...まさかこの方が奥様?」

「余計なことを。」男は低く吠えた。

前の青年は即座に大人しく口を閉ざした。

しばらくの間、南雲泉は呆然としたままだった。

数分後、やっと我に返り、隣の男を見た。「なぜ私を助けてくれたんですか?」

「もし私の推測が正しければ、あなたの携帯は電池切れですよね?」

「はい。」

「助けるなら最後まで。病院まで送るのも道順だし。」

「ああ。」

そういうことか。

前の柏木朋也は深いため息をついた。