第45章 帰ろう、あなたに抱かれて眠りたい

一日後、おじいさんの葬儀が行われた。

葬儀場は重苦しく、弔問に訪れる人が多かった。

南雲泉は霊堂の前に跪き、静かにおじいさんの写真を見つめていた。

おじいさんは、彼女に泣いてほしくないと言った。

彼女はずっと素直に言うことを聞き、本当に泣かなかった。

埋葬の日、空から大雨が降り注いだ。

雨は激しく降り続けた。

南雲泉は黒い服を着て、胸に白い花を付け、黒い傘を差して人々の中に立っていた。

巨大な雨幕を通して、おじいさんが彼女に微笑みかけているように見えた。

「泉、泣かないで。おじいさんは泉の笑顔が大好きだよ。うちの泉は笑うと一番綺麗なんだから」と言っていた。

だから、南雲泉はずっと耐えていた。

すべての参列者が帰った後、彼女は傘を投げ捨て、よろめきながらおじいさんの墓石の前まで走り、ドサッと跪いた。

「おじいさん、私はいい子でした。言うことを聞いて、泣きませんでした」

「本当に泣いていません」

涙は蛇口から水が流れるように止まらなかった。

南雲泉は突然この大雨に感謝した。雨水で洗い流されるため、誰も彼女が泣いているのを見ることができないから。

でも、悲しまないわけにはいかなかった。

心が痛まないわけがなかった。

結城暁はずっとおじいさんの墓石の前に跪いていた。全身が雨に濡れていたが、それでも凛として跪いていた。

誰が引っ張っても無駄だった。

彼は跪いたまま、毅然とした眼差しでおじいさんの写真を見つめ続けた。

南雲泉には分かっていた。彼は自責の念に駆られ、贖罪していたのだ。

彼はおじいさんを怒らせてしまったと思い込んでいた。もし自分がいなければ、おじいさんはもう少し長く一緒にいられたかもしれないと。

「暁……」南雲泉は前に出て彼を引っ張った。

しかし結城暁は依然として毅然と跪いたまま、少しも動揺を見せなかった。

「桐山翔に送ってもらって帰りましょう。ここ数日眠っていないでしょう。帰って休んで、おじいさんもきっとあなたに元気でいてほしいはずです」

「あなたも眠っていないじゃない。休む必要があるわ」南雲泉は心配そうに彼を見つめた。

大雨が二人の体を打ち付け、二人とも濡れていた。

雨水が髪の毛や顔を伝って、激しく流れ落ちていた。

「暁、おじいさんもこんな姿を望んでいないわ。立って、家に帰りましょう」