結城暁は一目見ただけで携帯の電源を切り、メッセージには一切返信しなかった。
南雲泉は探るように尋ねた。「何かあったの?携帯が鳴りっぱなしだったけど」
「何でもない」
「そう」
彼が言わないなら、彼女も特に聞くことはなかった。
南雲泉が髪を乾かした後、結城暁は部屋の明かりを消し、二人は同時にベッドに横たわった。
部屋の中は静かだった。
しばらくの間、南雲泉は二人の呼吸がはっきりと聞こえるように感じた。
布団をしっかりとかけ、南雲泉は目を閉じ、もう何も言わなかった。
しかし、結城暁の携帯が絶えず振動し、画面も点灯し続けているのを感じることができた。
彼は横を向いて、携帯を見た。
そして、彼の周りの空気が重くなった。
どれくらい経ったか覚えていないが、彼女は微かな音を聞いた。