南雲泉はぼんやりとしていて、彼の言葉が聞こえたような、聞こえなかったような気がした。
ただ結城暁が彼女の手を握り続け、何かを言い続けているのを感じた。表情はとても焦っているように、とても心配そうに見えた。
「寒い、結城暁、私、寒いの……」
結城暁は考える間もなく、すぐに布団に潜り込み、彼女を抱きしめた。
「寒い」
南雲泉は言い続け、体は止めどなく震え、顔も唇も真っ白で、血の気が全くなかった。
結城暁はそれを見て、言いようのない心痛を感じた。
「泉、怖がらないで、僕がついているから」
「大丈夫だから」
結城暁は彼女をとてもきつく抱きしめ、頬を南雲泉の頬に寄せて温めていた。
十数分ほど耐えると、南雲泉はようやく寒いと言うのをやめ、体もようやく少し温まってきた。
疲れたのか、南雲泉は目を閉じ、長いまつげを垂れて、静かに眠りについた。