南雲泉はぼんやりとしていて、彼の言葉が聞こえたような、聞こえなかったような気がした。
ただ結城暁が彼女の手を握り続け、何かを言い続けているのを感じた。表情はとても焦っているように、とても心配そうに見えた。
「寒い、結城暁、私、寒いの……」
結城暁は考える間もなく、すぐに布団に潜り込み、彼女を抱きしめた。
「寒い」
南雲泉は言い続け、体は止めどなく震え、顔も唇も真っ白で、血の気が全くなかった。
結城暁はそれを見て、言いようのない心痛を感じた。
「泉、怖がらないで、僕がついているから」
「大丈夫だから」
結城暁は彼女をとてもきつく抱きしめ、頬を南雲泉の頬に寄せて温めていた。
十数分ほど耐えると、南雲泉はようやく寒いと言うのをやめ、体もようやく少し温まってきた。
疲れたのか、南雲泉は目を閉じ、長いまつげを垂れて、静かに眠りについた。
体に温もりが戻ってきたため、彼女の顔色も徐々に良くなり、少し赤みを帯びてきて、先ほどのような青白さはなくなった。
結城暁は身を屈め、彼女の額に軽くキスをした。「ゆっくり眠って、僕がついているから」
この時になってようやく、彼の胸の痛みも少し和らぎ、少し安心できたが、先ほど浴室で彼女が血を吐いていた光景を思い出すと、また深い憂いに陥り、眉間にしわを寄せた。
「道の状況はどうだ、通れるようになったか?」結城暁は再び尋ねた。
今は医者が来て、直接南雲泉に大きな問題がないと告げてくれることだけが、彼を安心させることができた。
「もう通れるようになりました。医者はすぐに到着するはずです」
「そうか」
南雲泉の眠りは全く安らかではなく、彼女は苦しそうに呻き続けていた。
「暑い……」
突然、彼女は叫びながら、服を引っ張り、足で狂ったように布団を蹴り、両足も無秩序に動かしていた。
結城暁が手を伸ばして触ってみると、彼女の体が激しく熱くなっていることに気付き、体温を測ると40度近くまで上昇していた。
どうしてこんなことに?
さっきまで死ぬほど寒がっていたのに、今度は高熱でこんな状態になるなんて。
結城暁の心配は更に募り、額には汗が浮かんでいた。
南雲泉の状態があまりにも急激だったため、むやみに解熱剤を飲ませるのも怖く、医者の到着を待つしかなかった。