結城暁の顔は今や炭のように黒くなっていた。火どころか、火花一つでも飛べば、すぐにでも燃え上がりそうだった。
彼女は何を言ったのか?
イケメン?
おじさん?
年下との恋?
しかも全部好きだと言って、一人ずつ試してみたいだって。
もし彼女のベッドの傍で、直接彼女がこんなことを言うのを聞いていなかったら、とても信じられなかっただろう。
「泉、お前が10年も片思いしていた人は?どうした?好きじゃなくなったのか?」結城暁は漆黒の瞳で彼女を見つめ、冷たく問いただした。
答えが得られないことは分かっていたが、それでも怒りが込み上げてきた。
物忘れの激しい女だ。忘れると言えば、すぐに忘れてしまう。
しかも離婚してたった2日なのに、もう次の恋を急いでいるのか?
結城暁は考えれば考えるほど気に入らなかった。彼は南雲泉の手首を掴み、前に身を乗り出してベッドに潜り込んだ。