第149章 南雲泉を探しに1

司瑛人は友達の写真を結城暁に見せた。南雲泉の姿を見た瞬間、彼の酔いは一気に醒めたようだった。

二人は海辺にいるようで、優しく輝くような笑顔を浮かべていた。

「写真を一枚送ってくれ」と結城暁は言った。

写真を受け取ると、両手で写真を大きく拡大し、南雲泉の目元の笑顔を丁寧に見つめた。

見れば見るほど、恋しくなった。

その時、司瑛人は携帯を取り出し、桐山念にビデオ通話をかけた。

桐山念は南雲泉と楽しく波遊びをしていて、手を繋いでいたが、ビデオ通話の音を聞いて、南雲泉の手を離した。「泉、ちょっと待っててね、ビデオ通話に出るから」

通話に出てみると、司瑛人からだった。

それだけではなく、桐山念は目ざとく、彼の隣にいる結城暁を見つけた。

すぐに、彼女の笑顔は消え、声も冷たくなった。「何?」