第172章 告白される

突然、彼女の脳裏に東雲絵麻が先ほど言った言葉が浮かんできた。

「さっき勇家院長が飲んでいる時、あなたがずっと見つめていたのよ。私だけじゃなく、みんなが見ていたわ。今はもう私だけじゃなく、みんながそう思っているはずよ」

「それに、さっきのあなたの転倒も、みんなは意図的だと思っているでしょうね」

勇家夜雪の視線を見て、南雲泉は胸に不吉な予感が走った。

今や周りの人々だけでなく、勇家夜雪自身も、彼女が彼の注意を引こうとして恋心を抱いていると思っているに違いない。

でも、時が全てを証明するはず。彼女は本当に彼に興味がないのだから。

だから、説明する必要もない。

南雲泉は視線を戻し、ゲームに集中した。

耳元で、また同僚の声が聞こえた。「南雲さん、また飲む番よ」

南雲泉は実際にもうかなり飲んでいたが、最後に意識がはっきりしているうちに東雲絵麻に頼んだ。「後で私を家まで送って、あるいは私があなたの家に行くわ。忘れないでね、私の身の安全はあなたに任せたわよ」