第186章 切ない別れ

南雲泉が車に乗り込んだとき、結城暁はパソコンを見ていた。

彼は後部座席に座り、長い脚を組んでいた。白いシャツの襟元のボタンを2つ外し、セクシーな鎖骨が覗いていた。

南雲泉の角度から見ると、本当に美しかった。

真面目に仕事をする男性が一番かっこいいと言われるのも納得だ。

今の結城暁は本当にかっこよすぎる。

とてもとてもかっこいい。

南雲泉は見とれながら、突然ときめきを感じ、思わずキスしたくなった。

そう思うと、そのまま行動に移した。静かに動き、子猫のように近づいていった。

片手で顎を支え、頭を傾けると、結城暁の横顔のラインがよく見えた。はっきりとした輪郭で、力強く、まさに神様が作り出した芸術品だった。

こんな素晴らしい芸術品に、キスしないなんてもったいない。

しばらく見つめた後、南雲泉の視線は彼の薄い唇に落ちた。