火鍋を食べ終わると、桐山念は南雲泉と一緒に買い物に行った。
買い物で楽しみを見つけて、一時的に悩みを忘れてほしかったからだ。
全過程とても楽しかった。
桐山念は南雲泉のために可愛いドレスを何着か選び、南雲泉が新しい服に着替えると、傍らで写真を撮った。
そして結城暁に送信した。
「全部彼に送ったの?」南雲泉はドレスを試着しながら尋ねた。
桐山念は頷いた。「もちろん。出張中でもあなたのことを想って、見るたびにムズムズして、すぐにでも飛んで帰りたくなるようにしたいの。」
「じゃあ、私をもっと綺麗に加工してね。」
「必要ないわ。私たちの泉はこんなに可愛いんだから、生まれつきの美人よ。どう撮っても綺麗だし、それに私の撮影技術を信じてないの?」
南雲泉は即座に何度も頷いた。「信じてる信じてる、絶対に信じてます。」
数十分後、南雲泉は既に何着も服を買っていたが、桐山念は一着も買っていなかった。
南雲泉はすぐに不思議そうに言った。「念、普段は服が大好きだったじゃない?今日はどうしたの?私のばかり買って、早く自分の分も選んでよ。」
「私は…」桐山念は一瞬躊躇してから言った。「買いたくないの。」
「買おうよ買おうよ、暁が払ってくれるって言ってたじゃない?好きなのを選んでよ。」
先日のことを思い出し、桐山念は目を伏せ、興味なさそうに言った。「買わない。どうせ見てくれる人もいないし。」
この言葉を聞いて、南雲泉はすぐに何かを察し、そっと近寄って尋ねた。「喧嘩したの?」
「うん。」桐山念は頷いた。
「話してくれる?」
「大したことじゃないの。カップル間のちょっとした摩擦だけど、腹立つのは、彼が全然なだめてくれないこと。私が怒るままにして、私から機嫌が直ったら仲直りに来いって考えてるの。ふん…私なんか行かないわ。」
「今回は彼が来ないなら、私も絶対に行かない。」桐山念は怒って言った。
否定できないが、桐山念は本当に美しく、怒っているときでさえ極めて魅力的だった。
南雲泉はすぐに慰めた。「私たちの念は怒ってもこんなに綺麗なんだから、新進女優さんにふさわしいわ。」
「やっぱりあなたは甘い言葉が上手ね。司瑛人があなたの半分でも甘い言葉が言えたらいいのに。」