第30章 藤原家の若奥様の身分がばれる

「月、最近おかしいと思わない？あんな小さなアパートに泊まるなんて。衛生基準を満たさない場所には泊まらないって決めていたでしょう？」

「彼女の部屋は衛生的だよ！」

藤原月は忙しい中でそう答えた。

「衛生基準を満たしているのか、それとも人が基準を満たしているのか、よく考えてみなさい」

須藤陽太は真面目に書類を見ているふりをしている彼を見つめた。彼は藤原月が今一文字も読み込めていないことを確信していた。

藤原月は突然手を止め、真剣な表情で彼を見つめた。「須藤、私がどんなタイプの女性が好きか知っているだろう」

「詩織のことを言いたいの？本当に彼女が好きなら、とっくに付き合っているはずだよ。毎晩一人で過ごすことはないはずだ」

「言っただろう。結婚している身で不適切なことはしない！」