「味があまり良くないな!」
彼は彼女の顎を掴み、唇を離してから評価を下した。
高橋真子は唇を強く噛み、恥ずかしそうに目を伏せた。
彼の上半身は裸で、予想通り……
高橋真子は彼の胸から視線をそらしたが、耳が少し赤くなっていた。
藤原月は彼女の様子を見て、自分の腰に緩くまかれたバスタオルを見下ろした。なぜか突然、邪な火が上がってきて、彼は再び彼女を見つめ、彼女のサクランボのような小さな唇を見ながら呼びかけた:「真子!」
「うん?」
高橋真子は掠れた声で返事をし、その後さらに顔を赤くした。
「一体どんな味なんだ?」
「……」
高橋真子は真っ赤な顔で再び彼に向き合い、顎を掴まれたまま、彼からの新たなキスを受け入れた。
甘い!
高橋真子は思った!
彼の唇は薄いのに、こんなにも甘い!
外の雨はますます強くなり、耳をつんざくほどだった。
銀色の灯りの下、男の体の下で小さな人が、絶え間なく浅く深くキスされていた。
「藤原月、私、私は清らかじゃないの!」
高橋真子は天井を見つめながら、首筋でのキスがますます情熱的になっていくのを感じた時、このような経験は初めてだったが、何が起こっているのか分からないわけではなかった。
藤原月はゆっくりと動きを止め、顔を上げて彼女を見た:「何を言っているんだ?」
「海外にいた時!」
高橋真子は顔をそらし、彼が体を起こした隙にソファの肘掛けから逃げ出した。
藤原月は体の下のソファクッションを見つめ、彼女が去った後の重苦しさを消化しながら、ゆっくりと目を伏せて自分のバスタオルの下を見て、思わず眉をひそめた。
高橋真子は部屋の中から扉を閉め、そして内側から鍵をかけた。
男性は感情がなくても女性と関係を持つことができると言われている。
でも彼女にはできない!
彼は彼女を愛していないのだから、こんな風に誘惑するべきではない。
高橋真子は静かに自分の気持ちを落ち着かせながら、壁に寄りかかり、両手で壁をしっかりと掴んでいた。
この夜、彼が外で寝ているという事実に、彼女は寝返りを打ち続けた。
——
翌朝早く、雨は上がり、外からの十分な日差しが窓から差し込み、コートを掛けて一晩を過ごした男の上に照らしていた。