第40章 民政局での出会い

死んでもいい、でも彼と一緒にいるなんてできない。まして寝るなんて！

高橋真子は外に出てから突然気づき、自分の額を強く叩いた。「真子、バカね！」

絶対に彼のイケメン作戦にひっかかったわ！

でもこの教訓があったから、彼に対してより冷静になれた。

外は風が強く、上着を持ってくるのを忘れていた。腕を抱えながら外に走り出した。

隠れた場所から誰かが彼女を見送りながら電話をかけた。「小林さん、高橋真子が今月さんのマンションから出て行きました。はい、一人です！」

——

高橋真子は家に帰り、着替えて身支度を整えると、急いで外出した。タクシーに乗り込んで「区役所へ！」

「お嬢さん、こんな早くに区役所へ行くなんて、結婚ですか？旦那さんは一緒じゃないんですか？」

運転手は区役所と聞いて、さらに綺麗な若い女性を見て、興奮気味に尋ねた。

「離婚です！」

高橋真子は簡潔に答えた！

運転手：「……」

高橋真子は区役所に着き、東の空に昇る太陽を見つめ、静かにバッグからパンを取り出し、階段に座って食べながら待った。

区役所はまだ開いていなかったが、すでに多くの人が周りで待っていた。見たところ……

彼女は突然、二人で婚姻届を出しに来た時のことを思い出した。藤原月はまるでビジネス契約を結ぶかのように手続きを済ませ、さっさと立ち去り、彼女一人を風の中に置き去りにした。

今ここにいるカップルたちを見て、心の中で考えずにはいられなかった。いつか自分も、誰かと幸せにここに来ることができるのだろうか？そしてその相手も同じように幸せを感じてくれるのだろうか？

遠くに黒いレンジローバーが停まっていた。高橋真子は知っていた。あの車は彼女についてきたもので、小林詩織の手下が見張っているのだと。

彼女は再びパンを大きく一口かじった。すると同年代くらいの人が声をかけてきた。「こんにちは！あなたも結婚ですか？」

高橋真子は差し出された水を感謝して受け取り、落ち着いて答えた。「私は離婚です。」

「えっ？」

女の子は驚いて、彼女の隣に座った。「若そうなのに、もう結婚してたんですか？」

高橋真子は少し気まずそうに笑った。あの時、彼女はちょうど二十歳だった。

数人が彼女たちの方を見ていた。その女の子がまた尋ねた。「どうして離婚するんですか？こんなに綺麗なのに旦那さん浮気したんですか？」