第47章 ドアの暗証番号を結婚記念日に変更

藤原月は彼女の視線に心が揺らぎ、目を逸らして言った。「パスワードはリセットされたんだ。僕たちの結婚式の日だよ!」

「月!」

「僕たち二人だけが知っているから、安全だよ!」

藤原月は彼女が何か言う前に付け加えた。

高橋真子は胸が締め付けられる思いがした。二人だけが知っている?

「でも、安全じゃないと思う!」

彼女は不満げに呟き、顔を冷ややかにして目を逸らした。

藤原月は彼女を見つめ、彼女の「安全じゃない」という言葉には何か含みがあるように感じられ、すぐに眉をひそめて問いただした。「まさか、僕が安全じゃないと思ってるの?」

高橋真子は目で答えた。よく分かってるじゃない、と。

「冗談じゃない。僕がいつ君を危険な目に遭わせたことがある?何か問題があれば、すぐに解決してきたじゃないか?」