第46章 末期がんで自暴自棄に酒を飲みに行く?

「彼女には自分の未来があるはずだ!」

藤原月は突然冷たく言い放った。

佐藤正臣には理解できなかった。死を目前にした人間が、どんな未来があるというのか?

——

その時、高橋真子は木村清から電話を受けた。木村清は何かを話した後、彼女に尋ねた。「私を信じてくれる?」

「信じるわ!でも清、彼女は確かに末期がんなの!」

高橋真子は木村清が嘘をつくはずがないと知っていたが、藤原月もそんなことで離婚を迫るはずがなかった。

「じゃあ、彼女が酒を飲みに行ったのは、自暴自棄になっていたから?」

木村清は自分のマンションのリビングに立ち、突然その女性に対して強い疑念を抱いた。

「そうかもしれないわね!」

高橋真子は考えた。他に理由はないはずだと。

詩織はきっと長期間の食事制限があり、医師は刺激物を摂取することを禁止していたはずだ。だから、みんなに内緒で飲みに行ったのかもしれない。