第86章 タピオカミルクティー

「真子さん、とても上品なおばあさまが孫の嫁に会いに来たとおっしゃっているわ！あなたのオフィスにいらっしゃるわよ！」

ニュース放送を終えてスタジオを出ると、同僚からそう告げられた。

高橋真子は即座に藤原家のおばあさまだと察し、急いで戻った。

しかし、走っても間に合わず、彼女のオフィスの前には人だかりができていた。

さすがはニュース関係者たち、次々と鋭い質問を投げかけていた。

「おばあさま、お孫さんのお名前は？」と誰かが尋ねるのが聞こえた。

「私の孫？藤原月よ！」

おばあさまは群衆の中で、少しも臆することなく答えた。

高橋真子は頭上に暗雲が立ち込めるのを感じながら、群衆をかき分けて入っていった。「申し訳ありません、おばあさまが冗談を言っているだけです。皆さん、解散してください！」