第87章 私にキスして欲しいの?

「子供じゃないのに、タピオカミルクティーを飲んでこんなに口の周りを汚して!」

藤原月は自分の指についたタピオカミルクティーを見て、彼女を叱った。

「……」

高橋真子はバッグからティッシュを取り出して彼に渡しながら、冷たい目で彼を見た。

「あなただって子供じゃないのに、自分の奥さんのタピオカミルクティーを奪うなんて!」

おばあさまは彼が真子を責めるのを見過ごせず、二人のやり取りを見ながら反論した。

「彼女は私の毒見をしただけです。実は、これは私のために注文したものです」

藤原月は言い終わると、黒い瞳で向かいの人をじっと見つめ、さらに遠慮なく飲み続けた。

高橋真子は彼のそんな堂々とした態度に何も言えず、ただ彼がなぜここにいるのか気になった。

「調子に乗らないでよ。私と真子は、あなたがどうしてここにいるのか全然知らないわ。言いなさい、私たちを尾行させたでしょう?」