第114章 抑制できない

高橋真子の涙が、ポタリと頬に落ちた。

彼のことを気にかけないわけがないじゃない?

幼い頃から一緒に育ち、何年も彼を愛してきたのに!

藤原月は彼女の唇に触れた後、彼女を支え起こし、両手で彼女の顔を包み、額を彼女の額に当てると、突然眉をひそめた。「熱があるのか?」

高橋真子は「……」

体中が熱くて、力が入らない感じがした。

彼に驚かされたせいだと思った。

足までガクガクしている!

もちろん、そんなこと言えない!

藤原月は何度か彼女の額に自分の額を当てた後、彼女を地面から抱き上げた。「今夜はどこで寝るんだ?」

高橋真子はぼんやりとした目で彼を見つめ、今がいつなのかわからなくなっていた。

藤原月は彼女を抱えて寝室に戻り、ベッドに寝かせると、自分の額の痛みも気にせず、彼女を安心させた。「動かないで横になっていろ。体温計を取ってくる。」