第166章 自分の潔白を証明できない

「今月また生理が不規則なんだけど、来た?」

大森千夏は東京での出来事のせいだろうと思い、話題を変えてソファに寝転がって彼女に尋ねた。

高橋真子:「……」

——

昼になってようやく藤原月が彼女の電話に繋がり、尋ねた:「どうして気が変わったの?」

「私の友達を困らせないで。」

高橋真子は電話でそう言った。

「友達を困らせるのが怖い?それはお前のせいじゃないか?」

藤原月は反論した。

高橋真子は気分が悪かった。生理が来ていないからだ。最近起きた出来事が多すぎて、感情的に緊張し、ストレスが大きいせいだと考えていたが、それでも彼に言わずにはいられなかった:「なんでいつも電話してくるの?私は授業があるのよ。」

「じゃあ、授業が終わったら?自分から電話してくれるの?」

その言外の意味は、私から電話しなくてもいいけど、あなたから電話してくれないとということだった。

高橋真子は少し考えてから、やはり彼に言った:「しない。」

藤原月は携帯を握る手に力が入った。

「藤原月、私に時間を無駄にしないで。」

高橋真子は考えに考えた末、やはりこの言葉を言わなければならないと思った。

「俺は欲しいものを手に入れられなかったわけじゃない。」

「あなたのは強制よ。」

「ふーん、誰かさんが俺にしがみついていたのは気のせいかな。」

「……」

高橋真子は彼の言葉に詰まり、30秒ほど経ってから落ち着いて言った:「とにかく、私に時間を無駄にしないで。私たちはもう無理なの。」

電話越しだからこそ、言いたいことが全部言えた。

面と向かっては、彼に捕まってしまいそうで。

そうしたら何も言えなくなる。

そして体中がバラバラになりそうなほど痛めつけられる。

「切るぞ!会議がある。」

藤原月は突然聞き飽きたように言い、携帯を切った。

そして広大なオフィスは静寂に包まれた。

ただ彼は暗闇の中にいて、外の輝く星々も、街の灯りも気にせず、寂しげに椅子に身を沈め、目を閉じた。

夜、須藤陽太が招待した席で、彼はただ酒にしか興味を示さなかった。

須藤陽太と佐藤正臣は彼のやる気のない様子を見て少し落胆した。海外から帰ってきたら絶対やる気満々だと思っていて、どうからかってやろうかとまで考えていたのに。

しかし彼は帰国後もやる気が出ない様子だった。