第165章 避妊

「見送りに来る?」

「行かない!」

藤原月が低い声で彼女の意見を尋ねたが、返ってきた答えは否定的なものだった。

藤原月は彼女が自分を拒絶していることを知りながらも、その柔らかな唇に再びキスせずにはいられなかった。

この別れの後、次にいつ会えるかわからない。

だから高橋真子が彼のキス魔ぶりに驚いたとき、彼はすでに我を忘れていた。

——

しかし翌朝、車が彼を迎えに来た。

高橋真子はベッドで寝たふりをし、外からドアが閉まる音を聞いてからそっと目を開けた。

ついに。

彼が行った!

高橋真子は自分がきっと楽になるはずだと思ったが、心は痛むように締め付けられていた。

彼は彼女に心を動かされた?

でも、なぜ彼女の心はこんなにも違和感を感じるの?

潔癖症でもないのに、なぜ彼の前の恋愛関係がこんなにも気になるの?