夕食後、家族全員がソファーでフルーツを食べながらドラマを見ていた。お爺さんとお婆さんが席を立った後、大和田好美と藤原直人も帰り、ソファーには二人だけが残された。
高橋真子は両手を強く握りしめ、俯いて抑えていた。
藤原月はテレビ画面の広告を見ながら、何も言わなかった。電話がかかってくるまで。
「行かない!暇なんかない!」
向こうはかなり賑やかで、人が多そうだった。話している人の声が大きく、須藤陽太のようだった?
高橋真子は彼が今すぐ出かけてくれればいいのにと思った。夜遅くに二人きりで気まずい思いをしたくなかった。
しかし彼は行かないと言った。
しばらくして彼はまた言った:「真子が戻ってきたんだ。俺たち実家にいるよ。これでいいだろ?」
須藤陽太は彼が行かない理由を聞いたのだろうか?