山を下りた時には既に日が暮れていた。
彼女は自分で歩くと主張したが、山の中腹まで来ると疲れて歩けなくなり、冷や汗が出てきた。
藤原月は彼女の前にしゃがみ込んで言った:「乗って。」
高橋真子は躊躇していた。
「乱暴に担いで下ろすことにしようか?また肩が腹に当たって痛いとか言うだろう。」
藤原月は言葉で脅した。
高橋真子は呆然と一歩前に進み、彼の背中に乗った。
今は腹が痛いなんてレベルの問題ではなかった。
彼女も分からなかったが、最初から諦めることなど考えもしなかった。
まさか……
二人が家に帰ると、高橋真子のふくらはぎはまだ震えていた。
上着を脱いでジーンズとフィットするセーター姿だったので、彼女の状態が一目で分かった。
お婆さまは手入れの行き届いた手で彼女の細い足を掴んで:「どうしたの?低血糖?こんなに震えて。」